周囲の交通状況に合わせて運転方法を切り替えることが重要!
読者の皆さんも日常的に燃費節約を心がけた運転をしていることだろう。しかし、実際にどのような運転が燃費節約につながるのか、確信を持てているドライバーは意外と少ないのではないだろうか。よく「ふんわりアクセル」が燃費にも優しいという話を聞くが、それも時と場合による。
たとえば渋滞の激しい交通量の多い交差点で青信号とともに「ふんわりアクセル」を実践したらどうだろうか。確かにそのクルマのその場所での燃費は良くなるかもしれない。しかし、ふんわりアクセル=極端にゆっくり加速することとなり、短い青信号の点灯時間中にその交差点を通過できる台数が著しく減少してしまう。
その結果、交差点での交通量が滞り手前の渋滞はますます激しくなり、その区域全体で消費される燃料は増えてしまうことになる。このように周囲の状況を鑑みず、自己中心的な走り方に固執するようでは燃費節約に貢献することにならないだろう。周囲の交通状況をよく観察し、適材適所で運転方法を切り替える柔軟な発想と運転技術の幅広さが重要なのだ。
かつてグループCマシンによる耐久レースが世界規模で開催されていた。世界的に有名なル・マン24時間レースしかり。1989年〜1991年ごろの全日本グループC耐久レース選手権はまさに燃費のレースとなっていた。そのレースをポルシェ962Cで闘っていた僕は、いかに燃費を節約しつつハイペースで走るかを求められたのだ。