冷却性能を確保するのが目的!
その理由は限られたスペースを有効活用するためです。ナンバープレートの大きさは登録車も軽自動車も同じですが、軽自動車は全幅が1480mmと制限されています。そのため前面の面積に対してナンバープレートの比率が大きくなってしまいます。ここで問題になるのが冷却性能。現在のクルマはエンジンを冷やすラジエター、エアコンに必要なコンデンサーなど冷却系へしっかりと走行風を当てることが必要ですが、ナンバープレートによって開口部面積が制限されてしまうのです。
そこで軽自動車の多くはラジエターなどを左右どちらか(トランスミッション側が多い)にオフセットして、反対側にナンバープレートをつけることで、しっかりと走行風を取り入れるような設計になっています。差別化するためではなく、しっかりと意味のあるオフセットなのです。その意味では、かつて三菱ランサーエボリューションがフロントのナンバープレートをオフセットして開口部を広くしていたのと発想としては同じといえます。
ちなみに、トランスミッション側にラジエターを置いているのはエンジンルームがギチギチのレイアウトとなっているから。とくに軽自動車の場合はターボエンジンの想定は必須ですから、エンジン前にラジエターを置く余裕はないのです。
とはいえ、日産デイズやルークス、三菱eKシリーズといった最新世代の軽自動車ではナンバープレートを中央に置いているクルマも出てきています。これはオフセットしていることをネガに感じるユーザー意識を考慮したためといいます。また、スズキ・ジムニーやダイハツ・ハイゼットはエンジン縦置きレイアウトということもあり、フロントのナンバープレートは中央に置かれていたりします。
つまり、ナンバープレートがオフセットしていないから登録車だ! とはいえないわけです。なお、そうしたケースでも遠目に判別したいのであれば、リヤのナンバープレートを止めているボルトの片方に封印がついているかどうかを確認してみましょう。封印がなければ軽自動車です。