値引きの内容などを手書きで欄外に書き加えられた時は注意!
また商談の過程で、用品無料サービスなど値引き条件拡大が、セールスマンの手書きで新車購入プランの欄外に記入されることもよくある。そんな時には、“手書き部分を反映して作り直してください”と是非伝えて欲しい。端末入力してデータとして残っていないものは、セールスマンの口約束レベルなど、“私的”なものであることも多く、ディーラー社内で正式に決裁を受けていないケースも目立つ。
最近は激減しているとされているが、仮に欄外に“カーナビ値引き装着”などと書かれていれば、社員割引でセールスマンが本体を購入し、ディーラーのメカニックにバイト代を払って非公式に装着してもらっているケースもある。こうなると、取り付け時の不具合に対する保証が受けられなくなるなどといったことにもなりかねない。また、“フロアマット無料サービス”と手書きされていて、納車のときに確かにフロアマットはあったが、純正品ではなく用品店で売っているような汎用品であったということも過去にはあったようだ。
ほかにも、下取り車があるのに新車購入プランや注文書に下取り査定額が印字されない、つまり下取り車がない扱いで商談をまとめようとするセールスマンもいる。このケースでは、セールスマンが下取り車を会社に通さず、個人的に売却して現金化していることが多い。
「下取り査定額相当分は現金でお渡しします」などと言われたら注意してもらいたい。仮に条件は良いのかもしれないが、たいていはセールスマンが業者から受け取った現金から“中抜き”して渡しているケースが大半となる。売却先が悪質業者といったケースでは、名義変更されずに次のオーナーが乗り回しているといったケースの発生も否定できないので、是非注意してもらいたい。
確実にリスクの少ない値引き条件にするためには、新車購入プランだけでなく注文書でも欄外への手書きでの記入は許さずに、必ず端末入力してもらうように商談を進めていただきたい。端末入力できない条件はディーラーが会社として認めた値引きではないケースが多い。
それでも構わないという場合にはできるだけリスク回避できるように、例えば「このフロアマットは純正品だよね」と念を押して、“純正品”と手書きさせるようにしてもらいたい。そして、くれぐれも口約束では終わらせないこと。口約束にセールスマンがこだわったら、名刺の裏に用品サービス内容を明記させ捺印させるなどするのも有効。ただ繰り返すが、手書き記入のない、獲得した値引きや用品サービス内容がすべて機械印字されているのがベストであると言っておきたい。