昔は社外パーツへの交換が一般的だった
最近はクルマの価格が高くなった、という嘆きはよく聞かれるもの。確かに高いが、その分、性能もデザインも、そして装備だってとてもいい。そのまま、いわゆるツルシのままで乗ってもまったく不満はないし、逆にイジるとバランスが崩れておかしなことにもなりかねなかったりする。
一方、昭和の時代は今に比べれば、そこそこクルマの価格は安かったかもしれないが(物価や収入に対しては安くはなかったが)、買ったらすぐに取り替えたいパーツや装備がけっこうあった。今回はクルマ好きが交換したパーツの定番を見ていくことにしよう。
1)ホイール
バネ下重量うんぬん以前に、とりあえずデザインが悪かった。これならそのままでいいと思ったのはホンダ・インテグラ タイプRの白いホイールで、それ以降、純正ホイールのデザインもグッとよくなったとように思う。
それまでは買ったら、即交換。スポーツカーではメーカーもあきらめ気味で、どうせ換えるんでしょ的に、あえてスチールを標準としたクルマもあったほどだ。それゆえ、アフターのホイールが活況で多くの名品が生まれた。
2)ステアリング
ちょっとしたスポーツグレードでもおっさんセダンか、と思わせるようなもっさいステアリングが付いていた。太いだけでなく、ホーンの位置といった全体のデザインというか配置も最悪だったし、センターがちゃんと出ていないのか、回すと外周がぶれることも当たり前にあった。
それゆえ、モモやナルディ、イタルボランテなどに交換するのは当たり前で、変えると操作が激変したものだ。また装着するためのアタッチメントである、ステアリングボスも必須アイテムとしてあった。今は性能が向上したうえエアバッグも付いているため、交換する意味がなくなってしまった。
3)ホーン
1990年代までのホーンの音色は、超絶的に悪かったというか、普通すぎた。文字で表現するなら「プーーー」だろうか。そこで出てくるのが交換用ホーンで、純正のシングルに対して、低音と高音を別々に発するダブルホーンや規制ぎりぎりまでの音量を実現したものなどたくさんのバリエーションがあった。また、ポンプで空気を作って鳴らすエアホーンもあったが、音色が変わるのは当時も違法だった。
4)ブレーキ
今では利かないブレーキなんていうのは皆無だろう。タッチが悪いなどはあるかもしれないが、その昔はホントに利かないクルマは多かったし、利かせるには思いっ切り踏む必要があった。アシストするマスターバックの大きさがカタログに載っていたりもした。それだけに、利きの向上は大切なこと。とにかくまずパッドを替えるのは当たり前だった。あとはチューニングになってしまうが、他車の大容量を流用することも。