【試乗】ボルボXC90にスポーティなRデザインが登場! R初のディーゼル搭載でこれまでとは違ったキャラに (2/2ページ)

グランドツアラーと呼ぶにふさわしい走り!

 乗ってみて最初に驚いたのはスポーティなRデザインにもかかわらず、穏やかな操縦性と乗り心地のよさだ。初期モデルはキャラクターを考えるとやや硬めの味付けかつバネ下のバタつきと路面からの突き上げも多く、エアサスの恩恵をあまり感じなかった。しかし、新型はリヤサスがよりスムースに動いている印象で、22インチを履いているとは思えないほど! 何を変えたのかは日本サイドもわからないそうだが、作り込み品質の向上やSPA採用車が増えたことで、その知見が多かれ少なかれXC90にもフィードバックされているのかもしれない。

 ちなみにRデザインらしさをもっとも感じるのはドライブモード「ダイナミック」をセレクトした時だ。車高ダウン(-20mm)と引き締まったサスペンション設定、レスポンス重視のアクセル/ステアリング/トランスミッションの味付けに変更。より正確さを増すステアリングと明確に姿勢変化を抑えたフットワークも相まって、重く大きなボディを理解した走行(=ブレーキに余裕を持たせる)さえ心がけていれば、俊敏なノーズの入りと重量バランスの良さ、そして路面をシッカリと捉える足さばきなど、ワインディングも十分楽しめるハンドリングに仕上がっている。

 2リッターディーゼルターボは低速域からターボラグなくグイグイと湧き出るトルクを活かし、2トン越えのボディをストレスなく加速させる実力を持っているが、惜しいのは変速スピード/レスポンス共に穏やかな8速ATがRデザインキャラクターとはアンマッチな点。個人的にはもう少しメリハリがある制御であってほしいと感じたが、これに関してはチューニングソフト「ポールスター・パフォーマンス・ソフトウェア」をインストールすれば解決すると思う。

 そろそろ結論に行こう。従来のRデザインは明確な「スポーツ」だったが、XC90のRデザインはズバリ「グランドツアラー」と呼ぶにふさわしいキャラクターに仕上がっていた。それより上は「ポールスターエンジニアード」が控えていることを踏まえれば、じつに絶妙な立ち位置と言えるかもしれない。


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