「最近のクルマがつまらない」は嘘! いま自動車業界に足りないモノとは (2/2ページ)

電気自動車や自動運転は時代の要請だ

 排ガスについても同様だ。ガソリンの匂いがたまらないというクルマ好きもいるが、大気汚染を考えると、クリーンな排ガス性能を否定することはあり得ない。個人的な感想だが、昭和と比べると東京の空は明らかに澄んできた。都会では夜空に星がまたたくなんて考えられない時代もあったのだ。

 交通事故の9割はヒューマンエラーによって起きているといわれている。交通事故ゼロに近づけるには、ヒューマンエラーのない運転方式すなわち自動運転化が推進すべきというのが時代の要請といえる。

 環境についても、大気汚染を考えるとBEV(電気自動車)などのゼロエミッションビークルへとシフトする方向へ向かう。エンジンの振動を感じることさえ難しい未来が待っている。

 安全と環境は人間の命にかかわる問題だ。それを趣味性で「つまらない」と否定するのは、社会的に認められない行為でもあろう。

 その意味では、「自動車がつまらない」と感じるのはユーザーマインドによるものであり、安全や環境を否定するようなマインドは時代に即していない。安全と環境最優先でクルマや移動の楽しさをあえてスポイルしているようであればメーカーを批判する必要はあるが、大きく人間社会が求めているモビリティのスタイルを認め、そこに楽しさを見出すよう、新しい時代に合わせてクルマ好き自身も進化、変化すべきだ。

 大半のクルマがつまらないと感じる理由は、自動車メーカーのせいではなく、クルマ好きのマインドにある。最新モデルの持つ楽しさを存分に味わうという意識改革が必要なタイミングを迎えた。

『クルマ好き2.0』へのバージョンアップが求められている!


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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