カタログやネット情報を見たり車両をのぞいただけではわからない
新生活のスタートとともに、初めての愛車を購入する予定という人も多い時期ですね。引越しをしたり、家族が増えたりして、新しいクルマに乗り換えを検討している人もいることでしょう。皆さんは、ディーラーへクルマを見に行ったら「試乗」をしていますか?
面倒だからとか、セールスマンと一緒に乗るのが緊張するからとか、いろんな言い訳をして試乗をしないまま購入に踏み切ろうとする人がいますが、それは絶対にオススメしません。試し履きをせずに靴を買って、いざ履いてみたら足が痛くなってしまった、という経験はありませんか? 靴なら数千円程度の出費で済むかもしれませんが、クルマは高額です。しかも、あなたや同乗する家族、ひいては周囲の見知らぬ人たちの命にも関わってくる買い物。
それを、カタログやネット情報を見たり、展示車両のドアを開けてちらっと覗いてみただけで買うなんて、ちょっと安直すぎると思いませんか? 「どうせ、走りなんてわからないし」と言うなかれ。クルマのことを知らなくても、初心者でも女性でも、購入前に必ずディーラーで試乗すべき7つの理由をご紹介したいと思います。
1)適切な運転ポジションが取れる
まず1つ目は、運転などすべての基本となる適切な運転ポジションが取れるかどうか。これはもう、実際に運転席に座って調整機能を使ってみる以外、確認する方法はありません。足は、お尻と背中ををしっかりとシートに密着させた状態で、ブレーキペダルを思い切り強く踏み込み、膝が軽く曲がる位置にシートを前後スライド機能で調整します。
シートの高さはなるべく高く、頭が天井に当たらず、メーターが死角にならない位置までアップします。その位置で、腕は「へ」の字に曲がるくらいの角度でハンドルの9時と3時の位置へ。ハンドルが前後上下に調整できるチルト&テレスコピックという機能がついていることもしっかりチェックしてください。
あとは、ヘッドレストと頭のてっぺんが同じ高さにくれば、適切な運転ポジションの完成です。これができないクルマは、まず愛車候補から落とすべきでしょう。
2)視界がしっかり取れる
2つ目は、視界がしっかり取れるかどうかの確認です。前は、左右まで死角が少ないかどうかはもちろん、車両感覚がつかみやすいことも重要。ボンネットの先端がどのあたりにあるのか、左右のタイヤはどのあたりなのか、感覚としてわかるクルマが理想的です。
後方視界も重要で、とくに運転席から振り向いた時に後ろの左右がまったく見えないクルマは不安が大きくなりがちです。最近はバックモニターがあるとはいえ、雨天や夜間などではカメラは見えにくくなり、そんなときに頼れるのはやっぱり自分の目。これも、実際に運転して確認しないとわからないことです。視界が悪いクルマはやめておいたほうがいいでしょう。
3)スイッチの使いやすさ
3つ目は、止まっている時に操作してみるのと、運転しながら走っている間に操作してみるのでは、印象がガラリと変わりがちなスイッチの使いやすさのチェックです。
とくに、最近はボタンやレバーなど出っ張りのあるスイッチは減る傾向にあり、エンジンをかけると表示される液晶タイプのタッチパネルスイッチが増えてきましたが、これが使いやすいと感じるのは、運転に慣れた人のほうが多いようです。運転初心者には、昔ながらのツマミのあるスイッチやレバーのほうが、パッと見てわかりやすく操作しやすいこともあるので、試乗した時に確認しておきたいところです。