個人情報の取り扱いは国内で議論が続いている
さて、今回の車検証IC化の議論で懸念されるのは個人情報の扱いについてだ。個人情報関連ICカードとしては現在、マイナンバーカードがある。また、クレジットカードやSUICAなどの交通系ICカードでも個人情報が深く関わる。
車検ICカードでも、紙ベースと同様に所有者の氏名などの個人情報がわかるが、そこから先、車検や修理を行った場所や時間などを含めて、クルマの情報と個人情報をどこまで紐づけるべきか、今後も国による議論は続く。
海外での車検証のIC化については、車両登録証ICカードとして、オーストラリア、スロバキア、オランダがすでに採用している。
そのほか、欧州バルト海に面したエストニアは電子政府化が進んでいることで世界の注目が集まる国。日本でのマイナンバーカードに相当する、eIDカードは運転免許証を兼ねるほか、医療関連データなどもクラウドサービスと連携して管理されている。現時点で、車両登録証はIC化されていないが、eIDカードによるクルマ情報の総括的な管理についても対応することは十分可能だと考えられる。
日本も車検証のIC化に伴って、さまざまな情報が共通ICカード化する時代がやってくるのかもしれない。