5Gの導入で遠隔支援システムはどうなるのか
もうひとつ、通信による遅延が減るという5Gのメリットが活かされるのが、遠隔監視や遠隔運転など、離れた場所からの遠隔支援システムについてだ。現在レベル0から5まで6段階を想定している自動運転では、レベル3以上になると運転の主体が運転者ではなく、車両側のシステムとなる。その場合、安全な運転を担保するには、遠隔による監視や管理が必要になる。または、遠隔操作での運転も視野に入れることになる。
実際、4Gによる自動運転レベル3の遠隔操作の実証試験を現場で見ると、データの送受信によるタイムラグが生じているのが分かる。クルマのような移動体にとって、このタイムラグは当然、命取りになる。
5Gによる遠隔操作の実証試験の現場も見たが、あきらかにタイムラグは少なくなっているのが分かる。
国は2024年までに、全国21万カ所の信号機に5Gを使った交通対応機器を整備する方針だ。これにより、自動運転だけではなく、車車間通信(V2V)、路車間通信(V2I)、歩車間通信(P2I)などが、よりスムースを行えれば、交通事故の抑制に貢献することにつながる。