“池袋暴走”が大きな転機になったことは間違いない
新型コロナウイルスや株の暴落など、最近は超ド級のニュースが多い。そのようななか、あまり目立たなくなったが、高齢ドライバーによる事故発生に関する報道はいまだに続いている。
コンビニや飲食店に駐車場のクルマ止めを乗り越えて突っ込んだり。高速道路で逆走したり。そのたびに、「アクセルとブレーキの踏み間違い」や「認知機能の低下が影響か?」といったことが話題に上る。
ここ数年、高齢ドライバーによる重大事故が一気に増えた印象がある。昨年(2019年)には、いわゆる“池袋暴走”の社会的な影響は極めて大きかった。
海外メディアでも、日本での高齢ドライバー事故が続出する事態を報道することがある。なぜならば、欧米でも高齢ドライバーによる事故は一定数では発生しているものの、最近の日本での状況は、欧米人もビックリの異常事態として捉えされているからだ。
むろん欧米のなかでは、高齢者に対して運転免許に使用条件を限定するなど、高齢ドライバーに対する配慮をする国や地域がある。だが、それは事故が多発しているからの対応というより、加齢による認知機能の低下などに考慮した社会インフラの一環だ。
一方、日本では高齢ドライバーの事故が目立つようになったから、免許更新時での高齢者講習の内容を拡充させたり、政府が主導で運転支援システムを搭載したクルマにサポカーという愛称までつけて訴求することまでしている。日本はなぜ、海外と比べて違う、そんな状況になってしまったのか?