乗用車への採用も見えてきている
さらに細かいところでは、ただ電動で開いたり、閉まったりするのではダメ。ヒンジドアの場合、少しだけ開けたい、もうちょっと開けたいなど、細かい位置での停止が重要になったりする。
ちなみにタクシーにはすでに採用されているのはご存じのとおりだが、構造的にはアナログで、操作もドライバーが安全確認をしたうえで行なう。また乗客を乗せたり、下ろしたりするだけなので、大きめに開けばそれで良いため、乗用車への採用は似たようでいて根本的な部分からして違うと言っていい。
以上のデメリットを、センサー技術やユニットの小型化などでクリアしているというのが現状で、そのため乗用車への採用も見えてきたという。とくに360度監視する最近の安全装備とリンクさせればなおさら実現度も高い。
そもそもヒンジドアは、各車どれぐらい大きく開くかを競争してきた面もあり、なかには90度近く開く場合もある。そうなると乗り込んでからドアを閉めるのはひと苦労。高級車でのおもてなし装備としてだけでなく、実用面でも電動化というのは意義があることになる。アイディアが出尽くした感もある快適装備のなかで、ヒンジドアの電動化は残された大きな分野なのかもしれない。