CAFEはアメリカで生まれた燃費規制
CAFE(カフェ)という言葉を聞いたことがあるだろうか?
企業別平均燃費の頭文字をとって、そう呼ばれている。自動車メーカーそれぞれが生産しているクルマの燃費を平均値として、政府が定める規制値を越えなければならないという連邦政府の環境局による規制である。
アメリカでCAFEが検討され始めたのは、1970年代に入ってからだ。60年代までのアメリカは、排気量が6リッターや7リッターのV型8気筒を搭載する大型車が市場の主流だった。ボディサイズがより大きく、エンジンサイズもより大きく、エクステリアとインテリアはよりゴージャスに、またはスポーティに。ユーザーのニーズが、クルマの大型化に偏向していた。
ところが、60年代後半から全米各地で排気ガスによる大気汚染が深刻化した。状況を改善するため、連邦議会のマスキー上院議員が提案した、通称マスキー法(大気浄化法改正案)が1970年に施行された。これにより、アメ車が一気に小型化へと進む。さら70年代はオイルショックも重なり、省燃費がアメ車にとって必須になった。
省燃費を明確に規定するため、1978年に導入されたのがCAFEだ。