雑な保管方法や過積載もダメ! 使用時以外にもあったタイヤのパンク要因とは (2/2ページ)

パンクを起こさないためには定期的な点検を心がける

2)タイヤ使用時(使用中)

 標準タイヤサイズを使用している場合でも、パンクが起きる可能性があります。

 大きな要因のひとつは空気圧の過不足です。どちらかと言えば「空気圧不足」のほうがパンクにつながるさまざまな要因を引き起こします。日本自動車タイヤ協会(JATMA)の調査でも、街を走る乗用車の約41%が空気圧不足だったというデータもあり、気づかずにそのまま乗ってしまっている人が多いのではないでしょうか。

 許容範囲以上にタイヤ(とくにサイドウォール)のたわみを生み、極度にタイヤの剛性低下を引き起こすことでも、パンクにつながりやすくなるといいます。外見からはわかりにくく、ホイールから外して内部を見ると、こすれたゴムで内側が損傷しているということもよく見受けられるそうです。

 また、低空気圧のままタイヤが一定時間連続回転するとタイヤが変形しながら揉まれることでタイヤ温度が上がり、膨張した空気がタイヤを突き破ることでパンク(バースト)につながります。いわゆるスタンディング・ウェーブ現象と呼ばれており、とくに高速道路走行時や温暖時期に起きやすく、非常に危険な現象です。

 適正空気圧・適正タイヤサイズであっても、普段駐車している場所が屋外などで日が当たり続けると紫外線(オゾンなど含む)により、細かなクラックがタイヤ表面に現れることがあります。この現象が起きてもいきなりパンクにはなりにくいですが、時間とともに成長して、タイヤの剛性に影響を与えることもあるようです。

 ほかにも、低空気圧では路面の異物を拾ったり、外傷でもパンクを起こす場合があります。内部に達していない外傷でも、使用中に成長して内部構造まで達していることもあるそうです。そうすると水分がなかに入ってしまい、ゴムや内部部材を劣化させることで剥離し、剛性低下を招くことでパンクしてしまうケースもあります。さらに、空気圧の低下はエアバルブの劣化や損傷でも起きるため、タイヤやホイールに異常がなくとも空気圧がまったく低下しないということはなく、自然に減る分もあると言います。

 もちろん、標準タイヤサイズであっても明らかに過重オーバー(人やモノでの過積載)で使用するとタイヤの持つ剛性(一般的にはタイヤ本体の強さと内包できる空気の量で決まる)がキャパシティオーバーになり、パンクにつながる可能性があります。

3)タイヤ保管時(未使用中)

 スタッドレスの保管時が典型ですが、ホイールを組んで空気圧を標準のまま入れた状態で長期間保管し続けると、タイヤ自体にストレスがかかってしまいます。その結果、内部の劣化を早め、タイヤの剛性に影響する場合があります。その際は約50%程度の空気圧で保管するのが適当です。

 こうした要因を踏まえ、パンクを起こさないための方法についても聞いてみました。

 一番大事なことは「定期的なタイヤ点検」で、基本1カ月に1回の点検が推奨されています。「点検は長くしていないけれど、前回の点検からほとんど乗っていなから大丈夫」というのは間違った判断です。

 また「一部のタイヤだけ空気圧が減っている」場合は異物を拾っていることや、バルブからの漏れ、ぶつけたことによるホイールの変形で「スローパンクチャー」が起きる可能性もあります。

 この場合には空気補充だけでなく、販売店などでのタイヤ・ホイール全体を点検するべきです。タイヤは自分だけでなくまわりの人の命にもかかわるクルマの重要保安部品なので、定期的な点検をオススメします。

 以上が日本ミシュランタイヤに教えていただいたパンクの主な原因です。自分で予防できることも多数あるのでぜひ実践してください。


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