EVには価格の高さやインフラ、航続距離の問題などがある
2010年代に入り、大手自動車メーカーとして初めて三菱がi-MiEV、そして日産がリーフを量産化した。それに伴い充電インフラも徐々に増えていき、日本ではEVを”珍しい乗り物”と見る人はかなり少なくなったと言える。高級車では、テスラモデルSとモデルX、さらにモデル3も登場して、セレブの間ではテスラはメルセデスやBMWと同格といったブランドイメージを持つようになった。
とはいえ、EVが”普通のクルマ”として一気に普及するステージとは思えない。2020年時点ではEVや燃料電池車は、”規制ありき”の普及に過ぎない。事実上のEV販売台数規制がある、中国とアメリカの一部の州、また欧州での厳しいCO2規制への対応だ。
こうした規制がない日本などで、EVが普及しない理由として、3つの理由がある。▽新車価格が高いこと、▽充電インフラが少ないこと・充電時間が長いこと、▽航続距離が短いこと、という3点だ。
このうち、航続距離と車両価格については、電池容量が増える(=価格が上がる)と航続距離が延びる、という関係があり、根本的な解決が難しい。
充電インフラについては、自宅や会社での交流による普通充電があるが、充電時間が長い。急速充電の効率化が進んでいるが、たとえ急速といっても20~30分間かかるため、ガソリン給油と比べるとかなり長い、というこちらも根本的な問題がある。