電動化時代になぜ? ハイブリッドが存在する車種にいまだガソリンエンジン車が設定されるワケ (2/2ページ)

とにかく経済性を優先したい消費者にとっては利点が多い

 一方で、燃費はハイブリッド車が優れるのはいうまでもない。

 Xグレード同士で比較すると、ハイブリッド車はWLTCモードで36km/Lだ。これに対し、1.5リッターエンジン車は21.6km/Lで、1リッターエンジンでは20.2km/Lになる。排気量の小さなガソリンエンジン車のほうが燃費性能で悪化しているのは、馬力の小さい分余計にアクセルを踏み込んで運転することになるからだろう。

 この燃費諸元をもとに、年間1万km走るとして燃料代を試算すると、ハイブリッド車は年間のガソリン消費量が277.7リットルで、1.5リッターガソリンエンジン車は462.9リットル、1リッターガソリンエンジン車は495.0リットルになる。ハイブリッド車は、ガソリン車のおよそ6割しか燃料を消費しない。

 これを、全国平均レギュラーガソリン代(3月5日付の142.4円/リットル)で試算すると、ハイブリッド車が年間3万2424円、1.5リッターのガソリンエンジン車が6万5916円、1リッターエンジン車は7万488円と計算できる。もっともガソリン代のかかる1リッターガソリンエンジン車とハイブリッド車の燃料代の差額は、3万8064円だ。したがって、2倍以上のガソリン代を年間に支払うことになる。

 それでも、購入時の車両価格の差40万円以上と比べれば、10年乗り続けてもまだ1リッターガソリンエンジン車のほうが安上がりになる。なおかつ、毎年徴収される自動車税額も、1リッターガソリンエンジン車なら、1.5リッタークラスに比べ5000円安い。

 もちろん、購入時の減税などを加味するとその差は縮まる可能性もあるが、とにかく経済性を優先したい消費者にとって、軽自動車よりは高値となるが、登録車としては安く手に入れられるコンパクトカーにおいて、ガソリンエンジン車は経済的利点が大きいといえるだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
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乗馬、読書
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池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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