登場前からワクワクが止まらないユニットも!
3)「G16E-GTS」トヨタGRヤリス
まだ発売されていないのに殿堂入りと言ってしまうのは気が早いかもしれないが、間もなく市販がはじまるGRヤリスの3気筒DOHC直噴ターボ「G16E-GTS」は、その勇ましい型式も含めて名機殿堂入り確実といえる。
レスシリンダー志向でコンパクトな3気筒エンジンは、総排気量1618ccながら、最高出力200kW(272馬力)を発生。そのパフォーマンスはすでに市販車ベースのモータースポーツでは最強クラスとの評判だ。
最終的な評価は市販がはじまり、モータースポーツであったり、チューニングであったりという世界でタフに使われてこそといえるが、電動化時代に抗うように登場した3気筒ターボには大いに期待したい。
4)「FA20 DIT」スバルWRX S4
ボア×ストローク:86.0×86.0mmのスクエアプロフィールを持つ水平対向のガソリン直噴ターボエンジンがスバルの「FA20 DIT」。現時点での搭載車はスポーツセダンWRX S4のみとなっている。2014年の登場から6年を経ても、221kW(300馬力)の最高出力、400N・mの最大トルクは2リッタークラスとしてはトップクラスを維持している。
スポーツ派のドライバーからは、組み合わせられるトランスミッションがCVTのみというのがネガと指摘されることもあるが、2000rpm~4800rpmでフラットなトルクを発生するエンジンを生かすには無段変速のCVTがベストマッチ。
逆にいえば、スバルが「リニアトロニック」と呼ぶCVTに合わせたパフォーマンス系ユニットとして開発されたのが、このFA20 DITであり、2ペダルで味わってこそ意味があるといえよう。
実際、WRX S4の裏モードといえるローンチコントロールを使うと、このエンジンが持つポテンシャルを引き出したゼロ発進加速が味わえる。その速さは公道で楽しめる領域をあっという間に通り過ぎてしまうほど。CVT時代のスポーツユニットとして歴史に残る存在といえる。
5)「V35A-FTS」レクサスLS500
いまのところレクサスLS500専用エンジンとなっているのがV6ツインターボの「V35A-FTS」だ。ボア×ストロークは85.5×100.0mmとロングストローク気味だが、最高出力の310kW(422馬力)を6000rpmで発生するという、排気量からすると十分に高回転まで楽しめるユニットとなっている。
ちなみに、最大熱効率は41%を実現しているというから、ガソリンエンジンとしてはトップクラス。これも名機と評価したいポイントになる。
V8エンジンのダウンサイジングとして生み出されたV6ツインターボは、レスシリンダーという時代背景とラグジュアリーのバランスをとったユニットとして2010年代後半から2020年代前半という時代にマッチしたパワーユニットといえる。ハイブリッドのイメージが強いレクサスLSだが、こちらのV6ツインターボも玄人受けするエンジンとして忘れがたい存在だ。