高いスペックに対してデビュー時は低価格なことも魅力的だった
2)圧倒的な旋回能力
R32型スカイラインGT-Rの駆動方式は4WDというのは知られるところだが、当時の4WDはトラクション性能は高いがアンダーステアが強く出るシステムというイメージが強かった。しかし、日産の誇るアテーサE-TSは、走行条件に応じて前輪にトルクを0:100から50:50の範囲で配分することを可能とし、FR的な回答性の良さと4WDならではのトラクション性能の高さを実現。
それに純正で装着されたハイグリップタイヤの実力も相まって、圧倒的なコーナリングスピードと旋回能力を誇る。すべてはレースで勝つための技術とはいえ、その実力はストリートでも大いに実感することができたのだった。
3)スペックに対して圧倒的低価格
今でこそGT-R(R35型)は1000万円クラスで、日産車のなかで最高級車種となっているが(それでも実力的に考えれば安いが)、R32型スカイラインGT-Rのデビュー時の価格は445万円だった。これはフェアレディZの2by2ツインターボの440万円と同等の価格であり、当時のフラッグシップモデルであるシーマの上級グレード510万円よりも安価な価格設定だったのである。
もちろんベースグレードでもエアコンやパワステなどの快適装備は備わっており、レースベースの必要最低限の装備だけのグレードというわけでもなかった。時代が違うので直接比較はできないものの、今では当時の新車価格を上まわる個体もザラということを考えると、いかにお買い得だったのかがおわかりいただけるのではないだろうか。