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【今さら聞けないタイヤの基礎知識】ヨコハマタイヤが伝授する長持ちさせるための方法とは (1/2ページ)

【今さら聞けないタイヤの基礎知識】ヨコハマタイヤが伝授する長持ちさせるための方法とは

丁寧に走らせていても表面は傷んでしまう

 前回のタイヤの空気圧の話に引き続き、横浜ゴム株式会社の齋藤宏匡さんに「タイヤを長持ちさせるメンテ方法」について伺いました!

伊藤:タイヤをなるべく長持ちさせるには、具体的に何に気をつければいいのでしょうか?

齋藤:まずは日常的な点検をすることが大切ですね。前回も言ったように空気圧のチェックは重要です。空気圧が減っていると本来の性能が発揮できないだけではなく、タイヤが過度にたわんだまま走り続けるとゴムと接着されているスチールベルトやカーカスが剥離してトレッド部が剥がれたり、場合によってはバーストする恐れがあります。空気圧をチェックする際は、あわせてタイヤに傷がないか、溝が十分にあるかなども見てあげるとなおよいですね。溝については、スリップサインをきちんと確認してほしいのですが、ひとつでもスリップサインが出ていたら、必ずタイヤ交換をしてください。その下はもうゴムが少ないので、そこから壊れてしまう可能性があります。

伊藤:なるほど! ほかの溝がスリップサインまでいっていないなら大丈夫じゃないかと、つい思ってしまうときがありますもんね……。そういった日常的な点検以外にやっておくといいことはありますか?


齋藤:そうですね、偏摩耗を防ぐためにも、たまにタイヤを前後左右でローテーションをすることもおすすめします。4輪均等に減るようにしておけば、長く使うことができますから。タイヤには『ヒールアンドトゥ摩耗』というものがあって、トレッドパターンのブロックが、ノコギリ状にギザギザになってしまうことがあります。こうなるとタイヤノイズなどもうるさくなってしまうので、点検の際にトレッドの表面を触ってみて「引っ掛かりがあるな」と感じたら、回転方向を逆にするために左右を入れ替えてみてください。また、SUVなどで背中にタイヤを1本背負っているクルマもあると思いますが、そのタイヤも必ずローテーションに組み込んであげてください。

伊藤:確かに背中にあるタイヤって忘れがちですが、太陽光にさらされていて劣化しやすいし、ずっとそのままにしておくのはもったいないですね。そのほか、たとえば、洗車するときなどにいいお手入れの方法はあるのでしょうか? タイヤワックスなどを使う人もいますが……。

齋藤:クルマを洗車してきれいにする際は、タイヤも普通に洗っていただいて構いません。ただ、頻繁に洗車する場合には少し注意が必要です。タイヤには元からワックスと老化防止剤が入っていて、タイヤ自身が保護機能を持っているんです。クリスピー・クリーム・ドーナツの一番シンプルなドーナツってどんな商品かご存知ですか?

伊藤:えーと……砂糖でコーティングされている、あれですか?

齋藤:まさにそれです! タイヤもあんな風にコーティングされているんですね。コーティングされているワックスの層があって、そのなかに老化防止剤も入っているので、紫外線などからタイヤを守ってくれるようになっています。イメージとしては、保湿するための成分がワックスで、日焼け止めクリームが老化防止剤と言えばわかりやすいでしょうか。これらはクルマを走らせてタイヤを動かすことで、内部からじわじわと自然に出てくるようになっています。あまり頻繁にゴシゴシ洗ってしまうと、その成分が取れてしまうので、洗車回数が多い方はそれを覚えておいていただけるといいと思います。
また、洗車した後しばらく乗る予定がないのであれば、自分でタイヤワックスを塗って、保護機能を補ってあげるのは○です。そういった事情がなければ、水洗いだけでも十分ですよ。

伊藤:古いタイヤってたまに茶色いものがありますが、あれは劣化なんでしょうか。もう元には戻らないんですか?

齋藤:いえ、また黒いタイヤに戻りますよ! 茶色になってしまっているのは、保護剤(老化防止剤)が光と反応して変色しているだけなので、きれいに洗ってあげてあげれば 元どおり黒くなります。洗ったあとは、タイヤワックスを塗るか、また走ればゴムの中から保護剤が出てくるので黒さをキープします

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