インチアップはドレスアップの定番だが交換に費用がかさむ
大昔から今に続くドレスアップのど定番メニューであるインチアップ。ホイールの大径化をはかるとビジュアルが良くなり、扁平率が低くなることでタイヤの剛性が高まるなど、走行性能面のメリットもある。カーマニアはもちろん、改造には否定的な一般的なユーザーもインチアップに高い関心を示す人は多い。
インチアップをするとバネ下重量が大きくなったり、乗り心地が悪くなるなどのデメリットもあるが、車体剛性の向上やサスペンションセッティングなどによって、それらのネガはおおむね解消できるようになり、ノーマルの時点で大径ホイールを装着するクルマが激増。今ではミニバンやSUVでも18~19インチ級の大径ホイールを装着するのが珍しくなくなっている。20年ほど前まではスーパーカー級の高性能車が履いていたサイズのタイヤを、ミニバンでも履きこなせるようになったのだ。
ノーマルの時点で18~19インチ級の大径ホイールを履くクルマが増えた現在でもなお、インチアップのカスタム文化は廃れていない。さらなるビジュアル面の向上を求めてインチアップするユーザーは多く、今でもカスタムメニューのなかで突出した人気を誇る。18インチを超えるサイズのタイヤやホイールは高額なので、高性能/高額車をインチアップすることはステイタス性も高い。
反面、庶民的な金銭感覚を持つユーザーにとって、クルマのタイヤ/ホイールの大径化は辛い問題だ。18インチを超えるサイズのタイヤを履くクルマの購入を検討する際、タイヤの交換コストの高さに腰が引けて躊躇する人は少なくないはず。
走行距離が多くてタイヤの交換サイクルが短い人にとっては、深刻な問題のひとつだろう。サイズを維持しながらタイヤのランクを落とす例もよく見られるが、愛車の性能や走りの質にこだわりのあるクルマ好きならば、できれば避けたい選択肢といえる。