かつて憧れの装備だった屋根が開く「サンルーフ」の装着車が減ってきたワケ (1/2ページ)

エコカー全盛時代で燃費には不利

 1980年代から1990年代にかけて、豪華装備であり憧れの的のひとつだったのが、サンルーフだ。ちなみに日本初の電動サンルーフは1978年のプレリュードで、キャンバストップについてはそれ以前にホンダN360などであった。屋根に穴が開いてウインドウを設置し、さらにそれも開くというのは画期的な装備で、デートカーブームを支えたもののひとつと言っていいだろう。憧れるあまり、後付けのサンルーフというものまであったほどだ。

 しかし、最近では一時期に比べて採用車が減ってきているような……。その背景にあるものを整理してみた。

1)重たくて燃費に不利

 省燃費のために、軽量化にしのぎを削っている昨今、鉄よりもかなり重たいガラスを採用するのはかなりのハンディとなる。フランス車などの欧州車ではルーフ全面がガラスというモデルも多く存在するが、日光浴を好むだけに、重量的なハンディよりも日光が取り込めるガラスであることを優先するからだ。

2)価格が高くなってしまう

 単純にスチール製のルーフに対して、開口部を作りガラスの板をはめ込んで、さらに電動で動くようにしたりなど、手間も素材も余計にかかる。ただでさえ車両価格の高騰が指摘される昨今、だいたい10万円ほどアップするというのはきついところだ。

3)操安性にも影響が出る

 重量がかさむというのはすでに紹介したが、頭が重たくなるので走行時の安定性にも影響が出てしまう。とくにコーナリング時のロールについてはハンディとなる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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