【無防備だしうるさいしメンテも大変だしいいことある?】それでもソフトトップのオープンカーがなくならない理由 (2/2ページ)

オープンカーらしい魅力を持っているのがソフトトップ!

 それはやっぱり、ソフトトップのほうがオープンカーとしての魅力を多く持ち合わせているからだろう。そもそもオープンカーの魅力は、風や、光、香りといったある種の気配が感じられ、自然や季節との一体感を楽しめるところ。メタルトップを閉めるとたしかに快適で、普通のクーペやセダンと同じように走れるかもしれないが、そのぶん、車内と車外は完全に分離されてしまう。

 一方、ソフトトップは布製なので、住宅でいえば障子一枚で内と外を隔てていたむかしの日本家屋のようなもの。とってもナチュラルで、わびさびもあって、情緒的。障子のようなものだからこそ、気が向けば、サッと開けたくなるし、閉めたとしても内外未分の感じが残る。

 オープンカーというのはもともと実用的なクルマではないので、不便を愛するおおらかさが大事で、それを愛するオーナーが多いからこそ、ソフトトップが多いのだろう。

 また、手動のソフトトップと電動のメタルトップを比べると、重量的にざっと30kgほどソフトトップのほうが軽量にできるので、よりスポーティーな走りができるのも大きい。

 構造が複雑になるぶん、車体価格も20~30万円は電動メタルトップのほうが高コストになるし、設計面でもメタルルーフを収納するために、スペース的な制約が大きくなるというデメリットもある。

 これらのことを考えると、よりオープンカーらしいのはソフトトップで、そうしたオープンカーの特性に惹かれる人は、今後ともソフトトップを支持し続けていくことだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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