【ちょっとしたトラブルでも押していい? 】今流行のクルマのSOSコールを使っていいケースとだめなケース (2/2ページ)

SOSコールは110番、119番に通報すべき状況で使用すべき

 オペレーターサービスは、自動車メーカーによっても異なるが、遠隔操作によるナビゲーションの目的地設定や、お店の紹介、トラブルの対応、サービス工場の案内なども含まれる。

 が、ヘルプネット=SOSコールはあくまで緊急時の利用に限られる。その判断基準は明確化されてはいないものの、110番(警察)、119番(消防、救急車)に通報すべき、差し迫った状況……という考え方でよいだろう。オペレーターも人員に限りがあり、特段に緊急を要しない接続をすると、本当に緊急に迫られているクルマ、乗員に不利益が生じかねない(もっとも、SOSコールボタンを押して、つながらないケースは今のところないという)。

 ヘルプネット=SOSコール装着車のほとんどは、オペレーターサービスも用意されているはずで、その使い方の区別は、しっかりと頭に叩き込んでおきたい。道に迷った、深夜に開いているガソリンスタンドを教えてほしい……そんな通報はNGである。

 この先、ヘルプネット=SOSコールがクルマに欠かせない先進の安心・安全装備になることは間違いないが、2020年2月に発売された新型フィットはほとんどのグレードにヘルプネット=SOSコールボタン(赤)が設定されている。しかも、クルマのトラブルに対応するトラブルサポートボタン(青)を同時設定している親切さに驚かされた。他車の場合、オペレーターサポートを利用するには、ナビゲーションを操作する必要があり、ほとんどの場合、ワンタッチとはいかないのだ。そこを、ヘルプネット=SOSコールと区別された青いトラブルサポートボタンを押すだけでトラブルサポートセンターに接続されるのだから便利で安心このうえない。

 ヘルプネット=SOSコールは、一生、利用せずに済むことに越したことはないが、万一の際、それこそ命を救ってくれる切り札となりうる”保険”的装備でもある。シニアドライバーはもちろん、運転初心者、いや、すべてのドライバー、乗員にも絶大なる安心をもたらしてくれるに違いない。筆者自身、つぎなる愛車は、ヘルプネット=SOSコールの装備が必須、とも考えているほどだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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