モデューロXとはキャラクターを差別化
2020年2月14日(金)より16日(日)までインテックス大阪で開催された「第24回大阪オートメッセ2020」で、3号館にブースを構えたホンダ/無限。そこには今夏正式発表を予定している、ホンダS660用の新規開発パーツを数多く装着した「無限S660コンセプト」が展示されていた。
ホンダ全体で見れば、S660にはノーマルのほか、ホンダアクセスが手掛けるコンプリートカー「モデューロX」もすでに存在する。これらとの位置付けの違いについて無限の説明員に聞くと、「ノーマルは低速ワインディング、モデューロXは高速ワインディングをメインステージとしているのに対し、この無限S660コンセプトはサーキットを主眼として、ワインディングまでカバーする所を目指しています」とのこと。
そのため新規開発パーツで展開されるチューニングメニューは極めて本格的だ。フロントグリル、エアロボンネット、エンジンフード、リヤウイングはいずれもドライカーボン製で、それぞれの形状はダウンフォースの増強を優先したレーシングカーさながらのもの。もちろん軽量化にも貢献しており、エアロボンネットは4kg、エンジンフードは2.5kg、ノーマルより軽いという。そのほか新デザインのフロント/リヤエアロバンパー、サイドスポイラー、チタン製スポーツサイレンサーも装着されていた。
足元に目を移すと、フロント15インチ・リヤ16インチのアルミホイールはやはり、軽さを重視して鍛造とされた新作。サーキット走行を主眼としてよりハードなセッティングが与えられた「パフォーマンスダンパー」は減衰力こそ固定式だが車高の調整が可能となっており、展示車両はノーマルに対し15〜20mmローダウンされた状態だった。なお、パッドやローター、ホースなどのブレーキまわりは既存のものが継続販売されるようだ。
インテリアでは見るからにホールド性の高いセミバケットシートが目を引くが、ステアリングホイールやフロアマットも新作アイテム。外観のみならず実際のドライビング環境もよりレーシーなものとなっている。
今後の目標としては「発売は年内、2021年1月の東京オートサロンで実車を公開する」計画だという無限S660コンセプト。ドライカーボン製パーツだけでノーマルのS660がもう1台買えるほどの金額になりそうではあるが、サーキットでの速さをストイックに追求するなら、外せない選択肢の一つになるのは間違いないだろう。