クルマの「革素材」といってもさまざま! シートやステアリングでよく聞く4つの主流な革とその中身とは (1/2ページ)

高級車の内装には本革製品が欠かせない

 シート、ステアリング、シフトノブ……、クルマの内装で、人が直接触れる部分は、本革が最上とされている。ロールスロイス、メルセデス・ベンツ、ジャガー、フェラーリ、ポルシェ、レクサス、マクラーレン、BMW、マセラティ、アストンマーティンなど、高級車の内装には、本革製品が欠かせない。

 そんな本革製品だが、一言で本革といってもじつは種類がいくつかある。代表的なのはアニリンレザー、セミアニリンレザー、顔料仕上げの3種類だ。

アニリンレザー

 アニリンレザーは、革本来の表情を活かし、質感や風合いを大切にするために、表皮に合成染料のアニリン染料を薄くコーティングしただけのレザー。素肌に近い状態なので、上質な革が選ばれ、風合いはベストだが、シミや汚れに弱く、デリケートな素材で、耐光性、耐柔性などの問題もあり、クルマの内装用素材には適していない。

セミアニリンレザー

 革の持つ高級感を維持しつつ、直射日光や夏の高温、真冬の寒さ、雨などの水滴、衣服との擦れへの耐性を待たせるために、薄い塗膜(表面保護)をコーティングしたのが、セミアニリン。

 自動車用の高級本革シートの素材はこのセミアニリン。良質な本革には、牛が生きていた頃の傷やシワ、虫刺されの跡など生きた証が残っている。透明感があって、本革ならではのエイジング(経年変化=使い込んでいったことによる風合い)も楽しめる。

 肌触りがよく、ホコリがたたないので衛生的で、ペットを飼っている人や、喘息やアトピー性皮膚炎の人には、好ましい素材。さらに、静電気が起こりにくいのもメリットのひとつ。

 デメリットは、高価で、表面が滑りやすく、冬場や座ったときにヒヤリとしたり、通気性はいいとはいえない。また長持ちさせるためには、多少の手入れも必要だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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