セキュリティの確保などのハードルにより実現には至っていない
高速道路の通行料をノンストップで支払うことのできるETC(エレクトリック・トール・コレクション システム)が日本で広く使われるようになったのは21世紀になってからだが、いまやETCユニットを装備していないクルマは、だいぶ少数派となっている。
運用上では安全のために料金所では速度を落とすように言われているが、システムの能力としては、それなりの高速走行でも料金の収受ができる高性能なものであり、その決済システムを道路通行料以外にも活用しようという声は、導入初期から存在していた。
たとえば、ガソリンスタンドやコインパーキングでの支払いなどに利用すれば、より便利になるという具体的なアイディアも提示されていた。ただし、高度なシステムゆえのセキュリティの確保などさまざまハードルがあり、実現には至っていない。
しかし、そうした状況に変化が生まれている。キャッシュレス社会を推し進める政策もあって、令和になってからETCの多目的利用は大きく動き始めているのだ。