まずは慌てずシフトダウンで減速!
まずブレーキの仕組みとして2系統というのが設計の基本となっている。前後左右で油圧のラインが別々なので、もし万が一、足まわりをぶつけたりしてフルードが漏れても、止めるだけの余力は残るように作られているのだ。ちなみにその昔は、1系統だったので、何かあったときに止まることができず、命の危険にさらされることもあった。
問題はブレーキの利かせすぎなどで、フルードが沸騰してペダルの踏力が各輪のブレーキに伝わらなくなる、ベーパーロック現象になったとき。まず慌てないのが重要で、シフトダウンでできるだけ減速をする。MTであれば、どんどん下げていけばけっこう減速できるハズだ。
実際にはペダルが完全に抜けてしまうことはまれで、この場合は何度も踏んでいると、少しだけではあるが踏み心地が戻ってくる。つまりブレーキはわずかだが、利くようになる。
さらにサイドブレーキは油圧を使用していないタイプが多いので、思いっ切り引いたり、踏んだりして、できるだけ減速させる。同時に危険でない範囲でステアリングを左右に切ることで、走行抵抗が増してスピードを落とすことができる。
それでもまだ止まらない場合は、路肩の縁石にタイヤとホイールをこすりつけるようにすると、リムが削れてタイヤがバーストして止めることができる。このために、縁石の高さはタイヤとホイールのリムに合わせて決められているという説もあるほど。もちろんこれはかなり緊急の最終手段だが、覚えておいて損はないだろう。