日系が少ない一方で中国系ブランドは存在感を増そうとしている
今回のショーでは、多くのメーカーが新規制適合の新世代ガソリンエンジンを発表していた。もちろんいままで主流であったディーゼルエンジンの新規制適合も各メーカーとも進めているようだが、今後はガソリンエンジンがメインとなり、2020年4月以降は販売されていくようである。
インド政府の考えとしては、BEV(純電気自動車)の積極普及を進めていきたいようだが、デリーなどの大都市を中心に、いま現在でも電力供給インフラに問題があるとされているのに、爆発的にBEVを現状のまま進めていくのは不可能というのが、多くの識者の一致した考えである。
「メーカーも政府がBEVの積極普及を強く推し進めようとしている姿勢には、困惑しているようです。当分の間はガソリンエンジンベースのMHEV(マイルドハイブリッド)ユニットの普及を進めていくようです(前出事情通)」。
一般車両まで含めると、全面BEV化はかなりハードルが高くなるので、インドでもBEV路線バスの普及など、公共交通機関からの積極的なBEV化を展開していくようである。
「トヨタやホンダが出展しないのも、新車販売が深刻的な不振傾向を見せるなか、これといった新型車が存在しないといった理由があったのではないかとされています(前出事情通)」。
ただ、2年前にはその存在感がほとんどなかった、中国系ブランドは長城汽車、MG、海馬(ハイマ)などが出展し、積極姿勢を見せている。政府のBEV導入ありきの流れに、得意のBEVも含む電動ユニット技術のほか、コネクティビティ技術も含め、インドで存在感を一気に増そうとしているようだ。
「ただ、インドでもまず“中国臭”を可能な限り消してビジネスを勧めなければならないのは、ほかの市場と同じです(前出事情通)」。
同じ市場環境を見て、「ショーへ出るのをとりやめよう」と判断するブランドがあれば、積極的に打って出るとするブランドに判断がわかれるのは興味深いところでもあるし、中国系ブランドの勢いの現れと見ることもできるといえよう。