ネオクラシックカーの相場が押し上がった
アメリカで25年ルールが注目される理由のひとつが、映画「ワイルドスピード」の初作から第三作までの影響だ。同作品は、90年代末から2000年代初頭、米西海岸を中心に社会現象化した、日系改造車ブームを題材としている。
メインとなった改造車はホンダのシビックやアキュラRSX(インテグラ)などコンパクトカーだった。トヨタ80スープラ、三菱3000GT(GTO)、日産S14 シルビア、三菱ランエボ、スバルWRX・STIなど、当時のブーム時点では庶民にとって高嶺の花だった。あれから約20年、40代から50代になったブーム当時の世代が、25年ルールを使った『大人買い』をしていることが、日本でのネオクラシックカー相場を一気に押し上げた。
25年ルールに関して、自動車メーカーにも動きが出てきた。旧車パーツの復刻だ。
自動車メーカーは新車販売が終わったクルマについて、少なくとも10年間は補修部品の生産を部品メーカーに依頼し、部品共販など部品卸業者が在庫を確保している。つまり、新車販売から25年以上たったクルマの補修部品は、生産中止になってしまう。
それが、海外での25年ルールによって、補修部品の新たなる需要が生まれた。また、日本国内でもネオクラシックカー市場が活性化し始めているため、人気旧車を対象とした補修部品の復刻が今後、さらに進む可能性がある。