折り鶴をモチーフにした造型が美しい
2020年2月14日(金)より16日(日)までインテックス大阪で開催中の「第24回大阪オートメッセ2020」。6B号館にブースを構える地元・大阪のホイールメーカー・レイズは、まったく新しいコンセプトの鍛造1ピースアルミホイール「VMF C-01」を単品のほか、マクラーレン720Sに装着した状態でも展示した。
材料となるアルミビレットを高圧プレス機などで成形して作る鍛造アルミホイールは、材料を溶かして鋳型に流し込んで成形する鋳造アルミホイールに対し材料密度が高くなるため、同じ形状・重量であれば強度・剛性が高く、同じ強度・剛性であれば軽量に仕上げられると言われている。そのため、とくにレイズの鍛造アルミホイールは「ボルクレーシング」シリーズに代表されるように、軽さと強度・剛性がともに高い次元で求められる、レーシングカーやスポーツカー向けに採用例が多い。
そうした常識を根本から覆すのが、レイズの新たなる鍛造アルミホイールブランド「VMF(ベルサスモードフォージド)」である。
世界の名だたるプレミアムハイパフォーマンスカーをターゲットにした「VMF C-01」は、そうしたクルマが乗りつけるフォーマルな場に相応しい、折り鶴をモチーフにした繊細かつ複雑な造型を実現している。
だがそれだけではない。性能面も、これまでの鍛造アルミホイールとは異なるベクトルで追求している。それはNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)だ。
具体的には、ディスク面のロール剛性、慣性、リム剛性からNVHを解析し、ディスク、バルブ面、インナーウェルの形状を変更。その結果、従来のレイズ製鍛造アルミホイール10.45kgのものに対し、同サイズで11.63kgと、11.28%ほど重量は増加したものの、静粛性は8.3%向上しているという。
また、レクサスLS500 Fスポーツの純正ホイールと「VMF C-01」とで比較実走行テストを行ったところ、純正品とほぼ同等の静粛性が得られたという実験データを、レイズは公表している。
設定サイズはすべて20インチで、8.5J〜11Jまで全23サイズを用意。「この美しさ『折り紙』つき」というキャッチコピーを掲げ、絶対の自信を持ってレイズが送り出したこの「VMF」シリーズが今後どのような展開を見せるのか、興味は尽きない。