首都高では「ルーレット族」大阪の環状線は「環状族」と呼ばれた
取り締まりの強化だけでなく、ベース車となるスポーツカーの減少、交通量の増加、場所によっては夜間封鎖などで、最近は走り屋も激減している。ひと口に走り屋といってもいろいろで、峠や埠頭でのドリフト族、湾岸線などでの最高速アタック。さらにはゼロヨンや環状線のタイムトライアルなど、細かく分かれていた。
これらはすべて公道を走るので違法行為だが、一番危険度が高かったのは環状線のタイムトライアルかもしれない。実際の呼び名は東西で異なっていて、大阪の環状線は環状族と呼ばれ、首都高の都心環状線の場合はルーレット族と呼ばれていた。
1990年代後半あたりが全盛期で、何度か取材したが、走っている本人達は自らをルーレット族とは呼んでおらず、首都高タイムアタックなどと言う程度で、とくに固有の名称はなかったように思う。いずれにしても、首都高の都心環状線をグルグルと回るというのがルーレット族の語源だ。
一方通行の大阪環状線と異なり、首都高は内外両方走れるが、内回りよりも、外回りのほうが人気というか、アタックする例が多かった。気になるタイムは公式なものはもちろんないので確かではないが、5分切りの伝説があったほど。本当ならば、外回りの場合、14.8kmほどなので相当なスピードになる。