OEMも多いが8つのブランドから販売されている
目立たない存在であるが、軽トラックは2019年の日本車全体の販売台数が約520万台、軽自動車が約191万台販売された中で18万2563台を売り上げた (軽商用全体は43万1141台)、堅実に売れているジャンルだ。
軽トラックはとくに地方では仕事用だけでなく、買い物などの足という自転車やスクーターのような使われ方をされることも多い。実質的な車種はダイハツ・ハイゼットトラック、スズキ・キャリイ、ホンダ・アクティの3つだが、OEM供給を含めればレクサスを除く8つの日本ブランドで販売されており、これだけ売れているのもよくわかる。2019年の軽トラック販売ランキングとそれぞれの特徴を紹介していこう。
1位 ダイハツ・ハイゼットトラック:8万815台
ハイゼットトラックはフロントシート下にエンジンを置き、後輪駆動を基本とするオーソドックスな軽トラックだ(もちろん4WDも設定される)。ハイゼットトラックはオーソドックスながらオレンジに代表される明るいボディカラー、農家などに嫁いだ女性向けに紫外線や赤外線をカットするガラスなどをセットにした農業女子パックのオプション設定、シート後方にちょっとした荷物置き場に使えるスペースを設けるなどしている。
また、シートのリクライニングも可能とし、高い快適性を持つジャンボを古くから設定している点、軽トラックでは初の自動ブレーキを採用したことなど、ユーザーニーズへの対応が素晴らしい。それだけに軽トラック販売ナンバー1なのもよく分かる。
2位 スズキ・キャリイ:6万540台
キャリイは全体的にハイゼットトラックとそう変わらないクルマだ。2018年にハイゼットトラックのジャンボのようなモデルとなるスーパーキャリイを設定し、ハイゼットトラックに対してはエンジンの新しさや自動ブレーキの性能の高さといったアドバンテージを持つ。
3位 ホンダ・アクティ:1万5268台
アクティはエンジン横置きのミッドシップという、現在ある軽トラックの中ではもっともマニアックな存在だ。乗ってみてもミッドシップということもあるのか、あのビートを運転しているような雰囲気があり(エンジンはいまだビートと同じE型だ!) 、軽トラックのなかでは運転していて一番面白い。しかし自動ブレーキがないなど、客観的な商品性でハイゼットトラックやキャリイに大きく見劣りするのは否めない。
アクティは販売台数もハイゼットトラックとキャリイに大きく見劣りするのもあり、残念ながら現行モデルで絶版となるのがほぼ確実となっている。アクティが欲しいなら早めに買っておくほうが吉だろう。