空気圧を測るエアゲージも本来定期的な調整が必要だ
伊藤:たとえば、タイヤをインチアップしたときには、純正サイズと同様の空気圧でも大丈夫なのでしょうか?
齋藤:同じロードインデックスであればそのままの空気圧で大丈夫です。ただ、一般的なスタンダードロードのタイヤを、エクストラロードやレインフォースドタイヤに交換するときには注意が必要です。元々これらは、内径が大きいタイヤは、タイヤが薄く空気容量が少ないので、空気圧を高めて負荷荷重に耐えられるように設計されたタイヤです。ですので、基本的にスタンダードロードより空気圧は高くする必要があります。これらのタイヤに履き替える際には、カタログでの確認や販売店にご相談するなど、それぞれの適正な空気圧を意識していただきたいと思います。
伊藤:空気圧を自分で点検するためには、家にエアゲージがあると便利だと思います。選び方のポイントなどはあるのでしょうか?
齋藤:ご自宅用でしたら、値段の安い高いはそれほど重要ではなく、きちんと空気圧を測れるものならOKです。ただ、エアゲージも長年使用しているとズレが生まれてしまうので、われわれメーカーは必ず一年に一度は計器の校正をしています。もちろん、家のエアゲージを校正するのは費用と手間がかかって大変だと思いますので、たまにタイヤ専業店さんへ行って自分のエアゲージとお店のエアゲージの差を確認させてもらうといいと思います。その差をメモしておけば、自分のエアゲージを使用するときにそこから誤差を足したり引いたりして使うことで、より正確な空気圧にすることができます。
伊藤:私のエアゲージも購入してしばらく経っているのですが、その誤差まではあまり気にしたことがありませんでした……。早速タイヤ専業店さんでチェックしたいと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました!
齋藤:タイヤはクルマに乗るすべての人たちの命を預かっている大切なものです。タイヤを知ることでもっと楽しく快適なクルマライフが送れると思いますので、ぜひ愛車と同じようにタイヤにも関心を持っていただけたら嬉しいです。ありがとうございました!