
グリルは外気を取り入れる役割を担う
エンジンルームの前方、左右のヘッドライトに挟まれた部分にある、格子状のパーツをフロントグリルという。
「グリル」とはもともと料理に使う焼き網などのことだが、クルマの場合、ここを開口部にして、外気を取り入れ、ラジエターやインタークーラー、エアコンのコンデンサなどを冷やす構造になっていて、異物がそれらの冷却フィンに当たらないよう、メッシュ状もしくはスリット状のパーツがついている。
と同時に、フロントグリルはまさにクルマの顔のど真ん中にあるので、顔の形、個性を決めるデザイン上の重要なパーツという役割もある。
ロールス・ロイスのパルテノングリル、BMWのキドニーグリル、アルファロメオの盾形、ブガッティの馬蹄形、アウディのシングルフレームグリルなどは、各社の象徴として、誰もが知っているデザインだ。
国産車でも、レクサスのスピンドルグリルや、マツダの5ポイントグリル、日産のVモーショングリル、スバルのヘキサゴングリル、三菱のダイナミックシールドなどが、それぞれのメーカーの『顔』を作っている。
一方で、グリルのないグリルレスのクルマもいくつかあり、そうしたクルマは、グリル部分ではなく、バンパーに大きめの開口部を設けて、冷却性を確保している。