車検は受けたものの法定点検を実施していないクルマが多数!
前述したように、車検を受けた後で法定点検を受けるのは何ら問題のないことなのだが、じつは法定点検の実施状況は乗用車で6割程度にとどまっており、車検は受けたものの法定点検を実施していないという車両が多数存在しているのである。
車検というものは、あくまで車検の検査を実施した段階でチェック項目に問題がないことを示すものであり、車検を受けたから次の車検まで安心して乗れるということではない。そのため、車検には関係がない部分も含め、クルマを運行する上で問題がないかをチェックするのが法定点検というスタンスなのだが、その法定点検をしなくても直接の罰則がないため(法人などでは業務停止処分などもあるが)、実施率が低いという問題が発生しているのだ。
国土交通省もこの状況に危機感を持っており、前検査を実施した車両(二輪車などを除く)の検査標章裏面余白に「法定点検未実施(車検時)」を印刷し、点検整備していない車両として注意喚起することを発表している。このままの状況が続けば法定点検をしないユーザーには何らかの罰則が科されるようになる日も遠くないだろう。