PS4もいいがPS4Sがみせたオンザレール感がいい!
次に、PS4の高性能版であるPS4Sを試してみた。このタイヤはAMGなどの高性能車の試乗で非常に印象が良く、総合性能が素晴らしいタイヤだと評価していた。果たして200馬力の86との相性はどうかと思われたが、良い意味で予想を裏切られる結果となった。とにかく全域においてしなやかで、やや安っぽさを感じさせる86そのものの素性を上手く補えており、まさに大人の走り味といえる。PS4以上に荒れたギャップの上でも不安なくアクセルを踏んでいけるし、どんな状況でも終始オンザレール感が得られるのが気持ち良い。
PS4Sは、トレッド面の外側にはゴムの結合力を高めたコンパウンドで踏ん張り感を強めてブロック飛びを抑制。内側にはシリカを混ぜてウエットグリップを高め、転がり抵抗を減らすなど凝った工夫が見られる。
PS4より1台分(4本)で約2万円ほど高くはなるが、それも納得の上質感が得られるので文句はない。PS4のスポーツ性も好印象だったが、オレが求める乗り味はPS4Sのほうにあった。PS4と比べると、PS4Sはキツめのコーナーでアンダーの出るポイントが1メートルほど先になるので、アンダーを気にせずさらに大きな舵角を当てて攻めれられるのもいい。オレの好みとしては断然PS4S、ということでタイヤ選びは決定した。
PS4Sはストリート前提のスポーツタイヤだが、ある程度までならサーキット走行にも対応できるので、たまにサーキット走行を楽しむ人にもオススメできる。経験上、ミシュランのスポーツタイヤは耐摩耗性が高く、また磨耗が進んでからの性能の落ちが緩やかなので、コストパフォーマンスも決して悪くはない。
“たわませていなす”特性はPS4よりもさらに顕著なので、国産のトップレベルのハイグリップタイヤから履き替えるとグニャグニャ感を感じてしまうかも知れないが、もしそう感じたとしても、それでも何の不安もなくいつもよりアクセルを踏める感覚に驚かされるはずだ。サーキットでのラップタイムを追求したいなら、サーキットでのドライグリップ性能をさらに高めたパイロットスポーツ カップ2も用意されているので、PS4やPS4Sで腕を磨いてからステップアップするのも面白い。
いくつかの組み合わせを試した結果、KW製のサスペンションとミシュランタイヤの組み合わせは想像以上にマッチングが良かった。足に関しては、ノーマルの86のスポーツ性を際立たせながら、オレが欲しかった大人っぽいしなやかな乗り心地を上手く出せたと思う。これからのチューニングがますます楽しみになった。