ヴェゼル モデューロXで目指したのは欧州の高級SUV!
ホンダの純正アクセサリーメーカーであるホンダアクセスが手がけるコンプリートカー「モデューロX(Modulo X)」シリーズ。モデューロの開発アドバイザーを務めるドリキンこと土屋圭市さんをはじめ、ホンダ車を知り尽くしたエンジニアがベース車の走りの質をより高めるため、時間と情熱をかけてこだわり、磨き上げた専用のカスタマイズパーツを搭載している。しかし、しっかりと性能をチェックできるような試乗ができる機会はなかなかなく、ましてやベース車と比べるチャンスは得られない。
そこで、ホンダアクセスはモデューロXの魅力を伝えるべく、2020年1月25日、千葉県の茂原ツインサーキットにて抽選で選ばれた16組28名が参加したスペシャルな試乗会を開催した。今回試乗できるのは2019年11月に登場した「ヴェゼル モデューロX」だ。
試乗会で用意されたのはターボモデルのツーリング、ハイブリッドのFF車と、同シリーズで初となるハイブリッドの4WD車という3グレードだ。それぞれのグレードごとにセッティングされた専用のサスペンションやコンプリートカーならではの空力性能を追求した専用のフロントバンパー、ロアーガーニッシュなどこだわりの装備を備える。
また、ヴェゼル モデューロXにはフレームから新規で開発したという専用フロントスポーツシートを装備する。専用シートの採用はモデューロXシリーズ初の試みだ。開発アドバイザーの土屋さんは「シートとサスペンションは一緒だと考える」と話すとおり、シートにはこだわりを持っていて、乗っていても違和感がない乗り心地と長時間運転しても疲れないように開発を進めた。
今回の試乗会ではツーリングと、ハイブリッドのFFか4WDのどちらかの試乗だが、ツーリング、ハイブリッドともにベース車との比較試乗ができるところもポイントだ。そして、公道やサーキット内でそれぞれの走りを体感することができる。サーキット内にはあえてモデューロXの特性を体感できるようパイロンによって一定のカーブに設定したエリアや、凹凸を作り、乗り心地やハンドリング性能などを体験できるようになっていた。
試乗会にも登場した土屋さんは今回のヴェゼル モデューロXの開発にあたり、とくに乗り心地や質感を重視したという。「目指したのは欧州の高級SUV、たとえばBMWのX5やポルシェ・カイエンのイメージ。SUVは降雪地域のユーザーが多いため、そうしたエリアのニーズに応えるためにも4WDを用意した」と説明する。「グレードによって、それぞれ4軸に対しての荷重のかかり方が違う。3グレードとも同じ乗り味にしなければならないことが難しく、開発には時間がかかってしまった」そうだ。