単に使いづらいのではなく正しい操作がし辛い!
男女平等が叫ばれてから、いったいどのくらいの年月が経ったでしょうか。世の中の多くのものは、男女どちらが使っても不満のないように進化してきて、もちろん、誕生から130年以上が経過しているクルマも、誰もが快適に安全に乗れるよう、進化し続けています。パワーステアリングがついて、筋トレのようだったハンドル操作がラクになったり、シート調整機能が充実して体格が小さな人でも適切な運転ポジションが取りやすくなったり、子どもやお年寄りの乗り降りや快適性を考慮した装備なども、とてもよく考えられているなと感じます。
ただ、細部までじっくりと見ていくと、やっぱりまだ少し、男性ファーストだなと思う部分も残っているのが現実。今回はそんなポイントをご紹介して、クルマ選びの参考にしていただけたらと思います。
1)ハンドルとウインカーレバーの位置
まず1つ目は、ハンドル操作はラクになったのですが、車種によってはハンドルとウインカーレバーの位置がかなり離れており、女性の小さな手だとハンドルを握ったままウインカー操作がしにくいものがあることです。通常は、ハンドルに手をかけたまま、中指や薬指など2~3本の指を使ってウインカーレバーを上げたり下げたりするものですが、それが小さな手の人だと小指くらいしか届かない、離れた位置のウインカーレバーが存在します。それを男性の開発者に話すと一様に驚かれるので、きっと手の大きな人は気がつかないところなのでしょう。
最近は日産デイズ/三菱ekクロスなどのように、手の小さな人でも握りやすい角度や大きさを考慮して開発されたシフトレバーなども出てきているので、ウインカーレバーの位置にもぜひ気をつけていただきたいと思います。
2)アクセルペダルとブレーキペダル
次は実感している女性も多いのではないでしょうか、小さな足ではしっかり踏み込みにくいアクセルペダル、ブレーキペダルがあることです。安全運転の基本として、足のカカトを床に付けたまま、アクセルペダルを踏むことが推奨されていますが、多くの車種が、足の小さな人がそれをやろうとするとつま先がチョコンとペダルに届くくらいで、しっかり踏み込むことが難しいのです。そこで、多くの女性はカカトを床から浮かせた状態で、エイッと踏み込むことになります。これだと姿勢が安定せず、微妙な力加減もしにくいので、ギクシャクした運転になりがちです。
大まかに、女性の足のサイズが平均で23cm、男性が26cmだそうなので、その3cmの差を考慮したペダルを作ってくれないと、小さな足の人が安心して運転できるクルマとは言えないですよね。このあたりも、まだまだ男性ファーストかなと感じさせられるポイントです。