不利益を被らないために事前の準備が必要
2019年夏の交通規制テストでは、企業との連携も行った。時差出勤としてのフレックス制、自宅で作業するテレワークなどによって、クルマを使わない仕事のやり方を検証している。
こうしたなか、もっとも大きな影響が及ぶのが物流である。とくに影響が大きいのがコンビニだ。小売業のなかでも拠点数が多く、取り扱う商品の多くが食べ物や飲み物で、日本では賞味時間が厳しく設定されている。
こうした状況は、これまで行われてきた海外でのオリンピック・パラリンピックでも同様なのだが、日本はコンビニ物流に限らず、鉄道やバスの運行でもパンクチュアリティ(提示遵守)の企業文化があるが、海外ではそうした考え方がそもそも甘い。そのため、大幅な交通規制がかかり、仮に交通・物流に支障が出ても、国民側の心に余裕がある。
一方、日本では何事もしっかり準備し、実施中もきちんと運用することが求められるため、交通規制に対して被害を受ける人が少ないはずだ。換言すれば、仮に被害が及んだ場合、大きな社会問題化することになるだろう。