【デジタル化で操作系も進化するけど変わらない!】なぜクルマのウインカーはレバー式なのか

スイッチ式もあるがごく少数

 クルマの装備というのは、ISOなどの世界的なものや国土交通省が定めた規格で決まっているものがある。それ以外には、自動車の進化の歴史において一番自然な形に落ち着いたというものもある。よく言えば、人間工学的に一番自然だったと言えばいいだろうか。

 それを踏まえて、ウインカーはなぜレバーなのだろうか? じつはレバー以外の形もいろいろとあった。古くは、シトロエンにボタンのクルマがあったし、ランドローバーでもスイッチタイプのクルマがあった。また、最近はスーパーカー勢に多く、フェラーリの458イタリアやランボルギーニ・ウラカンなどは、ステアリング上にスイッチのスイッチで操作する。

 日本車でもピアッツァは、操作系がメーターの左右に集中していて、ここにウインカースイッチも含まれていた。奇才、ジウジアーロゆえの配置だったが、いずれにしても別にスティック状のレバーでなくてもいいわけだ。

 ただ、ピアッツア、フェラーリ、ランボルギーニ、そしてランドローバーも含めて、実際にレバーではないウインカーのクルマを運転したことがあるが、非常にやりにくい。慣れの問題もあるかもしれないが、要は「ウインカーを出す」と「ステアリングを回す」というのは非常にリンクしているわけで、別のところにスイッチとしてあると動作が途切れてしまい、リズムが崩れる感じ。フェラーリやランボルギーにはこの点を解消すべく、ステアリング上にあるのだろうが、こちらはスイッチというのが微妙に操作しにくい。

 ステアリングの操作ついでにレバーを指先で上下させるのは自然だし、やっぱり楽だ。自動車に限らず、楽なものをわざわざ別の方法にしようとしても、普及しないことは多い。別にあえて別のものにする理由がないからで、ウインカーはまさにこの例に当てはまるというわけだ。

 同じような形状でいうと、ワイパーがあって、レバー式が一般的。ただ、レバー式でもメーカーによって、位置が異なるし、輸入車だとかなり複雑だったりする。もちろんスイッチのものもあるが、こちらいつも操作するわけではないので、レバーでなくても別に問題はない。ただ、配置の問題もあって、ウインカーの逆の場所にレバー式で付いていると言っていいだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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