この記事をまとめると
■最近の軽自動車はさまざま面で飛躍的に向上している
■しかしすべてのクルマが優れているわけではない
■この記事では4名乗車でも快適に走れる軽自動車を7台紹介する
フル乗車でも安心で快適なロングドライブをこなせる軽
ここ最近の軽自動車は内外装の質感、装備、先進安全運転支援機構はもちろん、走行性能も飛躍的に向上していると言っていい。ズバリ、下手なコンパクトカーをしのぐ走りの良さを備え、ACC(アダプティブクルーズコントロール)、レーンキープ機能まで付いているクルマもあるほどだ。ターボモデルを選べば、遠出、高速走行も楽々快適。だからこそ、今、日本でもっとも売れているクルマの上位がホンダN-BOXをはじめとする、日本の道、駐車事情にジャストな軽自動車なのである。
とはいえ、すべての軽自動車がいいというわけではない。ここでは軽自動車の定員である4名乗車でも安心・快適に走れ、ロングドライブもこなしてくれる、言ってみれば下克上的パッケージング、走行性能を持つクルマたちを紹介したい。
必須要件としては、まずは居住性だ。軽自動車のなかでもN-BOX、ダイハツ・タント、スズキ・スペーシアに代表されるスーパーハイト系は両側スライドドアを備えているため、乗降性は抜群。とくに子供を抱いた母親や、足腰の弱ったシニア、そしてペットとドライブする機会の多い愛犬家にもうってつけ。室内空間は、それこそ「あきれるほど広い」と表現できる。後席にしても、多くのコンパクトカーはもちろん、中型セダンをも圧倒する、頭上、膝まわり空間を備え、4人乗車でも誰一人からも、文句が出ないはずである。
スモールモビリティだからこそ不可欠な先進安全運転支援装備も、最新の軽自動車なら、これまた下手なコンパクトカーをしのぐ充実ぶりだ。自動ブレーキはもちろん、ブレーキ機能付き前後踏み間違い制御、サイド&カーテンエアバッグまで完備するクルマまであるほどで、日産デイズに至っては、日産コネクトナビによるオペレーターサービス、事故やあおり運転被害など緊急時のSOSコールまで用意されているのだから安心だ。
1)ホンダN-BOX
そうした要件の多くを満たす1台が、N-BOX。何しろ、身長172cmの筆者がドライビングポジションを決めた背後に座ると、頭上に265mm、膝まわりに最大450mm(シートスライド最後端位置)の、広すぎる空間がある。シートのかけ心地も悪くなく、狭さや窮屈さとは無縁の後席居住空間があるのだからうれしい。後席を最後端位置までスライドさせても、足が引けるのは、シート下が空間になっているN-BOXならではだ。
乗り心地は最新の軽自動車と比較すると、全高、重心の高さもあって足まわりを引き締める必要があるためやや硬めとはいえ、4人が快適に移動できることは間違いなしである。ターボを選べば、余裕のクルージングが可能となり、現時点で渋滞追従はしないものの、ACC(アダプティブクルーズコントロール)も全グレードにホンダセンシングの機能のひとつとして装備されるから、高速走行もラクラクこなせるというわけだ。スーパーハイト系は重くて遅い……そんな先入観があるなら、改めたほうがいい。
2)ダイハツ・タント
N-BOXのよきライバルがタント。助手席側Bピラーレスのミラクルオープンドアや運転席&助手席ロングスライドの採用で、まさにミラクルなパッケージングを実現。ダイハツのNAエンジンはトルクの豊かさで定評があり、ターボを選ばなくても、フル乗車にそこそこ対応してくれるのがうれしいポイント。
身長172cmの筆者がドライビングポジションを決めた背後の後席居住空間は、頭上に270mm、膝まわりに最大355mmと、N-BOXほどではないにしても、ゆとりに満ちた空間が広がっている。ターボを選べばACCも用意され、高速道路を使ったフル乗車のロングドライブもラクラクこなしてくれるのだ。室内は想定外の静かさで、騒音によるドライブの疲労度も最小限と言っていい。
3)スズキ・スペーシア
ターボ限定でフル乗車のロングドライブにお薦めなのが、スペーシア。エンジンは燃費最優先の仕様で、NAエンジンだとフル乗車のロングドライブでややモアパワーを感じさせるものの、ターボなら洗練されたインテリアデザインに囲まれた、スムースで心地よい、静かなクルージングが可能だ。
身長172cmの筆者がドライビングポジションを決めた背後の後席居住空間は、頭上に270mm、膝まわりに最大340mmと、頭上方向ではクラス最大級のゆとりがある。