【公道では誰もやらない!】なぜ教習所では踏切横断の際「クルマの窓を開ける」と教えるのか (1/2ページ)

道路交通法では義務付けられていない

 世の中の「学校」で、自動車学校ほど有用な技術や法規の知識を教えてくれるところはなかなかないと思うが、そんな自動車学校=教習所で教わったことのなかで、卒業するとすっかり忘れ去られる教えがある。それは「踏切手前ではいったん停止し、左右の安全を確認するとともに、“窓を開け電車の音を確認”する」というルール。

 道路交通法には、「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる」(第33条第1項 踏切の通過)とあり、「窓を開けて、音を確認する」ことを義務づけてはいない。

 にもかかわらず、教習所の仮免検定、卒業検定では、「窓を開けて、音を確認する」ことを怠ると、「安全不確認」として、10点の減点となる(技能試験は100点中70点以上で合格)。無事免許を取って、街を走り出すと、踏切のたびに窓を開ける人など皆無であり、道交法違反でもないので、警察官に咎められることもないのに、なぜ教習所では踏切横断の際クルマの窓を開けると教えるのか。

 一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会に取材してみた。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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