商用車は固定客が多く過去の汚名を払拭するのは難しい
しかし決定的なものかは別にして、ハイエースのアドバンテージを探すと
・パワートレインはそれぞれATだと、ハイエースは2リッターと2.7リッターのガソリン、3リッターディーゼルターボにすべて6速AT、キャラバンは2リッターと2.5リッターのガソリン、2.5リッターディーゼルターボにすべて5速ATと、排気量とATを総合すると動力性能はハイエースが優勢
・4WDはハイエースがフルタイムなのに対し、キャラバンは切り替えが必要なパートタイム4WD
・自動ブレーキはキャラバンが先に装備したが、未だ歩行者は検知できないミリ波レーダーのみを使ったものとなる。ハイエースは時期こそ遅れたものの、歩行者も検知するミリ波レーダー+単眼カメラを使ったものを装備
・バリエーションを見るとハイエースには側面後方のガラスを鉄板にしたルートバンがあるが、キャラバンにはない
などと、少なくない。
商用車は固定客が多いだけに、過去のネガティブなイメージを払拭するのはなかなか難しいためハイエースからキャラバンへの乗り換えは少ない。さらに現在のハイエースのアドバンテージが積み重なれば、ハイエースがキャラバンに圧勝するのもよくわかる。
さらにハイエースは人気なだけにアフターパーツも非常に多く、輸出を含め処分する時のリセールバリューも高いと、好循環するばかりだ。そう考えると原稿を書きながら、「キャラバンがハイエースの4割くらい売れているのは健闘していると言えるのかもしれない」とも思ってくる。
つまりキャラバンがハイエースに勝てないのは「キャラバンは過去の汚名に加え、ハイエースのほうが顧客を見た改良も行っているから」というごく単純な結論になる。
キャラバンがハイエースに勝つためには時間を掛けて信頼を積み重ねるか、ハイエースを圧勝するような革新的な1BOXカーとなるしか方法はないのではないだろうか。