途中消滅した時期はあるものの復活を遂げたモデルも
3)スズキ・アルト
長く使われた車名はなにもフラッグシップモデルだけではなく、ベーシックカーにも存在する。その代表格と言えるのが、1979年に登場したアルトだろう。軽の商用車の税制面での安さに目を付けたスズキが、軽ボンネットバンというスタイルで世に送り出したのがアルトだった。
47万円という低価格と簡素ながら必要十分の性能を持ち合わせたアルトは大ヒットを記録し、他メーカーも同様の軽ボンネットバンをリリースすることになったのである。2代目になると新たにスポーツグレードのワークスも追加され、途中消滅した時期はあったものの、現在もベーシックなアルトとスポーティなワークスというポジションは不変となっている。
4)スバル・ジャスティ
最後はやや特殊な例をご紹介しよう。それがスバル・ジャスティである。もともとジャスティはスバルがラインアップしていなかったリッターカーのジャンルを埋めるために1984年に登場したもので、軽自動車のレックスと普通乗用車のレオーネの間に存在するモデルだった。
コンパクトながら、スバル得意の四輪駆動システムを搭載したモデルも存在し、一部グレードには世界初となるCVTを搭載するなど、じつは画期的なモデルであったが、登場から10年後の1994年に生産を終了。ジャスティの名前も途切れることになる。
そして時は流れて2016年、突如ジャスティの名前は復活することになる。それはダイハツが生産するトールワゴンのトールのOEM車としてだ。1リッターエンジンを搭載したファミリーカーという意味では同一のコンセプトであるが、まさかこのタイミングで復活するとは予想していなかった人も多かっただろう。かくしてジャスティの名前も昭和、平成、令和と3つの時代をまたぐことになったというわけである。