需要の高いNAエンジンを進化させる! 新型スズキ・ハスラーに搭載されるパワーユニットのこだわりとは (2/2ページ)

直近では圧倒的に人気の高かったNAエンジンだからこそ進化させた

──今回デュアルインジェクション化され、噴射位置がピストンにより近いところへ移動していますが、直噴化は検討されなかったのでしょうか?

 栗原:ゼロだったわけではありませんが、コスト面もそうですし、小径ボアで直噴化する難しさがありますね。直噴を採用したK6A型はもう少しボア径が大きかった(68.0×60.4mm)ので、ギリギリ成立させることができましたが。

──マイルドハイブリッドも改良されているとのことですが、それはエンジン性能がダウンしたことを補うためでしょうか?

 栗原:もちろんハイブリッドであるからにはそういう面もあるのですが、ISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)自体もより効率を高めようとしていますね。サプライヤーは三菱電機さんですが、お互い協力しながらより良いものを、という考えから採用しています。

──ターボエンジンを従来のR06Aのままとしたのはなぜですか?

 栗原:ターボエンジンは現行型のままで、環境性能を含めてお客さまにご満足いただけるものにできるという判断から、NAエンジンの方にリソースを注力することにしました。それに、初代ハスラーは2019年4〜11月の販売実績でNA:ターボの比率が83:17なので、NAが圧倒的に多いんですね。ですから、より多くのお客さまにご満足いただけるものにするためには、まずはNAをやりましょうと。

──R06AとR06Dとでブロックも変えているんですか?

 栗原:ブロックの高さは変えていませんので、同じ生産ラインを流せます。ですがブロックもヘッドもピストンも違います。ボアピッチとバルブ挟み角は変えていません。

──今回R06Dに採用された技術は、ターボエンジンにも転用は可能でしょうか?

 栗原:そうですね。NA・ターボ問わず展開できる内容になっています。

──今後のターボエンジンの進化にも期待しています。ありがとうございました。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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