キープコンセプトに見えてこだわり満載! 新型スズキ・ハスラーのデザイナーにインタビュー (3/3ページ)

新しいボディ形状がインテリアにも好影響をもたらす

──シートの形状やサイズ、材質は、今回変更されていますか?

 粒来:とくに大きくは変えていませんね。

──ユーティリティの面には力を入れていらっしゃいますよね。

 粒来:フロントシートがベンチ式だったのを、新型ではフロアコンソールを設置して使い勝手を高めようと、セパレート式にしています。またセパレート式に変更したことで、サポート性も良くなっています。

──新型ではよりピラーを立てていますよね。これは、デザインと機能、両面から考えてそうしたのでしょうか?

 長田:そうですね。エクステリアではルーフを伸ばしてバックドアを立てて、より四角い形を狙っています。それによって生まれたスペースに、リヤクォーターウインドウが付けられるようになりました。その結果後方がより見やすくなったことで、機能的にもベターになっていますね。

──広さの面でも、ヘッドクリアランスが拡大していますよね。

 長田:そうですね、感じていただけると思います。「タンブル」と言っていますが、前から見たキャビンの傾き方も減っているので、左右方向も広く感じていただけると思います。

──それはまさに、アウトドアギアに通じる機能とデザインの両立、ということですね。

 粒来:仰る通りです。お客さまにアウトドアを楽しんでもらいたい、使い倒してもらいたいという気持ちで作りました。

──ジムニーもそうだと思いますが、実際のところはその機能を本気で使い倒す人が意外に少ないと思います。ですがファッションアイテムとしても、新型ハスラーは非常に個性の強いものになっていますよね。東京モーターショーの一般公開日でもお客さまの反応は非常に良かったので、本当に売れそうな気がしています。

 粒来:ありがとうございます。

 長田:アウトドアアイテムも日常化してくると、目立たないとファッションになりませんよね。クルマもSUVがどんどん溢れてきて、そのなかでいかに主張していくかが重要になってきます。初代ハスラーがデビューした2013年末はそれほどSUVが多くありませんでしたが、ハスラーはその先駆けとしていかに新しさや驚き、楽しさを2019年に出すのかが、開発のなかで大きなテーマになっていました。

──新型ハスラーの純正アクセサリーには4種類のコーディネートが設定されていますが、車両の開発初期からこれらを展開する想定で内外装をデザインされたのでしょうか?

 粒来:そうですね。ある程度基本のボディができてきた段階で、用品も早めに開発をスタートしましたので、こういう世界観で進めようということを話し合ってきました。そのなかで「POP」は、初代ハスラーの元気さを表現できるなと。「Tough」はSUVらしさ、「NATURAL」はキャンプなどで女性が楽しむような、もう少し優しいイメージですね。「Stylish」は都会的でクールなものというところです。

──どれも特別仕様車としてそのまま販売できそうですよね。

 粒来:はい、そのくらいの気持ちで作っています(笑)。

──ありがとうございました。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
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ゲーム
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