ハスラーの魅力を高める用品も開発段階からこだわった
──東京モーターショーでの来場者の反応はいかがでしたか?
高橋:ものすごく良かったですね。2013年より何かしらの形で携わっていますが、スズキブースがあれほど人でごった返したり、その場で「これ、買うよ」「いつから?」というお話を1、2件どころではないレベルで受けたのは、今回が初めてです。
──とくに、どうのようなところが高評価でしたか?
高橋:多かったのは「格好かわいい」ですね。格好良さとかわいさがうまいバランスでできているのかなと。あとは室内空間ですね、「これ、軽自動車なんですか? こんなに広くて装備が充実していて、見たことのないインパネで」と。
──新型ではタフさが強調されて、それがよりサイズ感を感じさせないような……。
高橋:はい、大きく広く感じられるようになったと思います。鉄板の厚みを感じさせるデザインが上質さにつながり、逆に軽自動車特有の薄さを感じさせないようになりました。ですから、クロスビーが小型車で実現した魅力を、新型ハスラーは軽自動車の枠内で実現しているので、次のクロスビーが本当に難しくなったのではないかと正直感じますね(笑)。
──室内が広くなったのは、プラットフォームがハーテクトになったことも影響しているのでしょうか?
高橋:影響していますね。それにインテリアデザイナーの粒来広(つぶらいひろし)が「数値以上に見た目で広く感じるように」と、インパネの足もと空間をスッキリさせたり、さまざまなデザイン手法を使っていますね。
──その点では、各ピラーを立てることは広さだけではなく視界の改善にも効いてくると思うのですが、それは初代ハスラーのユーザーからリクエストがあったのでしょうか?
高橋:初代ハスラーに関しては、じつはそういうネガがほとんど上がってこなかったので、より雰囲気を演出しよう、むしろ長所をもっと伸ばそうということになりました。もっと開放感を演出して、出掛けたくなるインテリアに仕上げています。
──価格設定はどのようにお考えでしょうか?
高橋:安全面やパワートレインを含めて装備を充実させていますが、驚いてもらえるような価格設定で準備しました。スイフトスポーツやジムニー、アルトワークスなど、また他社を含めて商品が溢れかえっていますので、「これだけ機能を上げたから価格も……」ではなく、「お客さまにとって本当に価値のある適正な価格になっているのか?」という観点で価格を設定しています。
──あえてお伺いしますが、新型ハスラーのライバルは?
高橋:初代ハスラーですね。私個人としては、ホンダさんのN-BOXがライバルだと思っています。その理由は、ハスラーとN-BOXは、軽自動車の中で数少ない、車名から形が連想できる、カテゴリーに括られずブランド化されているモデルだからですね。そのなかでN-BOXは日本で一番売れています。
──性能的な面で見ても、N-BOXは二代目になってから別次元にいってしまった感はあります。ほかの軽自動車メーカーはそれに追いつき追い越さなければならないわけですから、それは相当大きなハードルですよね。とはいえN-BOXは価格も高いですが。
高橋:N-BOXは機能面のみならず情緒的価値もありますが、ハスラーも機能以上にお客さまを揺さぶるものを持ったクルマですので。
──となると、販売でもN-BOXを超えたい、というところでしょうか? スズキさんにはスペーシアもありますが。
高橋:われわれとしては、スペーシアでNo.1を取るのが目標ですね。
──ハスラーは台数的にはともあれ、利益の面ではスペーシアよりも貢献しそうな気がします、とくに用品で。
高橋:初代ハスラーではセンセーショナルな用品を次々と発売しましたので、かなり利益に貢献しています。
──そういったアイテムは新型にも継続設定されるのでしょうか?
高橋:はい。それに、新たな試みとして、車両のスケッチ段階で、デザイナーと一緒になって、用品展開を意識した開発を行っています。
──今後の展開が楽しみです。ありがとうございました。