現在のトヨタ・ライズの納期は約3カ月という人気ぶり
ダイハツ・ラッシュ&トヨタ・ビーゴの事実上の後継車と言っていいのが、ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ。ダイハツが企画、開発、製造している5ナンバーサイズのクロスオーバーSUVだが、その人気ぶりはハンパじゃない。なにしろトヨタ・ライズは2019年12月の新車販売台数でなんと、1位のトヨタ・カローラに次ぐいきなりの2位(トヨタRAV4は8位、トヨタCH-Rは15位)。ダイハツ・ロッキーもC-HRに迫る16位と検討しているではないか!! トヨタ・ライズの場合、納期は約3カ月。今も納期待ちのユーザーが、ボクの知り合いを含め、多数いるほどだ。
かつて勢いがあったC-HRが納期1~2カ月、日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020受賞の今、ウケに受けているRAV4のガソリン車が約1カ月なのだから、まさに想定外!? の人気ぶりということになりそうだ。
今、クロスオーバーSUVの人気は世界的なものだが、多くは乗用車ベースのクロスオーバー。RAV4が売れに売れているのは、クロスカントリーモデルと言うべき、SUVとして一歩先まで踏み込める、本格的な走破性を(実際に使いこなすかは別にして)求めるユーザーが増えているからでもある。
が、日常の使い勝手と走破性を両立するクロスオーバーSUVは、主にアメリカ市場をメインターゲットとしているため、年々サイズアップ。もはや全幅1800mmも普通になっている(コンパクトカーであったはずのVWゴルフも全幅は1800mmである)。日本で使いやすいコンパクトなサイズで、しかも本格的な走破性を備えたSUVは、スズキ・ジムニー系ぐらいだった。ただし、ジムニーはかなりマニアックな存在。本気のクロスカントリーユーザー向けなのである。
つまり、2WD/4WDを問わず、最低地上高185mm、アプローチアングル20度、デパーチャーアングル32度という、悪路にしっかりと対応する走破性を持つ、5ナンバーサイズの乗用系クロスオーバーSUVはほとんどなかったのに等しいのである(デミオベースのマツダCX-3の最低地上高は160mmと、乗用車に毛の生えた程度)。
もちろん、販売絶好調につながるのは、そうした機動性だけではない。デザイン、カラー、価格なども大きく影響する。ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズの場合、ロッキーはいかにもSUVなフロントマスク、ライズはミニRAV4を思わせる佇(たたず)まいを備え、扱いやすい5ナンバーサイズであっても、存在感はれっきとしたSUVだ。ロッキーのオレンジ×ブラック、ライズのブルー×ブラックの2トーンカラーも商品力を増幅。一段とスタイリッシュさを増しているではないか。
そして、ダイハツ自慢の最新のスマアシ=先進運転支援機能を標準装備していながら(ライズXを除く)価格は、ロッキーのメイングレードのGで約200万円、ライズの最上級グレードでも約209万円と、たとえばCH-R、三菱エクリプスクロスあたりと比較しても、価格は圧倒的に手頃。しかも、エンジンは3気筒1リッターターボだから、自動車税も年間29500円と、1リッター超1.5リッター以下の34500円、1.5リッター越え、2リッター以下の39500円より安上がりというわけだ。
ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズの人気の要因はそれだけじゃない。