対向式ダイレス成形はふたつの機械で鉄板を押して形を作る
次にもし金型を作って生産するとなるとどうか。型代だけで数千万円だし、それを打ち抜くプレス機の使用料や材料代もかかる。金型を用意できれば何千枚もパネルが作れるが、欲しいのは数枚というだけに、話が大きすぎて意味がない。
という状況を踏まえると、日産の金型不要の「対向式ダイレス成形」というのは画期的。ちなみにダイというのは金型のこと。製法としては「インクリメンタル成形」というものを使っていて、これは鉄板を押して形を作るもので、絞り成形とも言われる。テレビなどで新幹線の顔の部分を棒で押して作っているのをレポートしているが、それと同じ。対向式ダイレス成形では鉄板をふたつの機械が押して形を作っていく。
費用としては、データ製作代(ない場合は現物スキャン可能)や治具で最大で100万円。あとは材料費とマシンの使用料となる。生産能力はゆっくりと押して作るので、生産するのにかなり時間がかかり、月産100枚程度というが、これも旧車なら問題ないだろう。もちろん生産能力の低さは価格に反映されるが、100枚作ったとしても、1枚数万円で販売もできそうな感じだ。