e-BOXERの愉しさに磨きをかけたXV
さて、続いては今回の改良で2Lガソリンモデルが廃止され、代わりに2Lのe-BOXERグレードが拡充されたXV。1.6Lガソリンモデルもありますが、e-BOXERがメインという印象です。デザインやメカニズムに変更はないものの、こちらも最新のアイサイト・ツーリングアシストが全車標準装備となっています。XVは、最低地上高をガッツリと200mm確保しつつ、全高を機械式駐車場にも対応する1550mmに抑えるという、ライバルがいそうでいない希少な存在。なので、そこに先進の運転支援技術が揃っただけで、最強のバランスを手にいれたと言えそうです。
室内は、インプレッサよりも少しカジュアルな印象がアップし、海へ山へのレジャーや子どものいるファミリーにもぴったりな空間。後席の足もと空間も広く、開放的な雰囲気が気持ちのいいクルマです。走り出すと、低速域ではゴツゴツとくるシーンもあるものの、加速はなめらかでパワーも十分。ステアリングフィールにシビアさはまったくなく、少し遊びのあるおおらかな感覚がXVに合っているなと感じます。
今回、e-BOXERグレードを拡充した理由として、やはり挙がったは走りの愉しさの部分。とくにXVでは、新型フォレスターと同じ2モードのX-MODEを採用し、モーターによる+10%の出力アップをここぞという場面で引き出せるようにしたことで、オフロードでの走破性にさらに「FUN」が加わったとのこと。今回はオフロードの試乗はできませんでしたが、そう聞くだけでどこか自然のなかへと走りに行きたくなる、そんなワクワクを感じました。
そして、帰路の高速道路はほとんどアイサイト・ツーリングアシストを作動させて、アクセル、ブレーキ操作はお任せ。白線を読んでくれるところではステアリングアシストも効いているので、とても頼もしい気持ちで走れます。カーブや合流などが複雑な首都高速では、多くのメーカーがその制御の開発に難儀していますが、私の主観ではアイサイト・ツーリングアシストはかなり高いレベルで難しい合流やタイトなカーブをクリアしてくれると感じます。目の前に大型トラックがいても白線を見失うことがないし、急に隣りの車線から他車が割り込んできても、すぐに減速して対応してくれるのが、とくに秀逸。ブレーキ操作も自分でやるより上手なのでは、と思うほどなめらかで感心しました。これが全車標準装備とは、素晴らしいのひと言です。
見た目には「あんまり変わってないのかな?」と思われがちなインプレッサ、XVの改良モデル。でもじつは、ユーザーに嬉しい進化が盛りだくさんでした。これはぜひ、実際に乗ってみて違いを感じてほしいと思います!