新型スカイラインのハイブリッドモデルに採用された技術
日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020で、栄えあるイノベーション部門賞を受賞したのが日産スカイライン。2019年7月に発表され、9月から発売を開始した新型スカイラインに搭載された、ハンズオフ運転を可能にしたプロパイロット2.0がその受賞の大きな理由である。
先進運転支援技術のプロパイロット2.0は、「高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動して設定したルートを走行し、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線でハンズオフが可能となる世界初の先進運転支援技術。プロパイロット2.0での走行中にドライバーが警報に反応せずシステムが車両を緊急停止させた際に、専用のオペレーターに自動接続するプロパイロット緊急停止時SOSコールを搭載」。
「ルート走行中の車線変更と分岐、追い越し時の車線変更の支援機能として、ナビゲーションシステムで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動ルート走行を開始。ナビゲーションと周囲の360度のセンシング情報に基づき、ルート走行中の分岐や追い越しのための車線変更の適切なタイミングをシステムが判断し、ドライバーに提案。そして、ドライバーがハンドルに手を添え、スイッチ操作で承認することで、車線変更支援を開始。車線変更や追い越し、走行車線への復帰もスムーズに行える」というものだ。
さらに、「同一車線内でのハンズオフ機能としてプロパイロット 2.0は、高速道路の本線走行中、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でのハンズオフが可能」となる。
こうした、近未来の自動運転に向けた先進運転支援技術=ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能は、日本において2019年夏からBMWも採用している(3シリーズ、7シリーズ、8シリーズクーペ、8シリーズカブリオレ、X5、X7)。単眼でも距離認識可能な高性能カメラを3機、つまり車両周辺監視用、中距離検知用、長距離検知用の単眼カメラを搭載。検知された情報は毎秒2兆5000億回の演算能力を持つ「EyeQ4」で処理され、正確なレーンキーピング、より長距離の危険予測、より高角度視野での周辺危険予測を実現しているという。
また、安全かつ正確な車線変更をサポートする、レーンチェンジアシストも用意。リヤバンパーに組み込まれたセンサーがドライバーから死角になる左右後方の車両などを認識し、衝突の危険がないことを検知。ウィンカー操作で車線変更の意思を車両に伝えると、ステアリング操作をアシストし、車線変更をサポートしてくれるというものだ(ハンズオフ機能は2019年7月以降生産の7シリーズ、8シリーズ、X5、X7のみ)。